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4曲目 「向こう見ずプロローグ」について

作曲者からコメントをいただいているので先に載せます、下にPollaidのコメントがあります。


作曲者(コサメガ)からのコメント


 はじめまして。コサメガです。楽曲の感想記事ということで、今回提供させていただいた「向こう見ずプロローグ」という曲について書こうと思います。ここまでたどり着いた人はおそらくなかなかのオタクだと思うので、細かいこだわりとかも遠慮せずに書いていきます。以下「ドレミファソラシ」はいわゆる移動ドです。コードについて、テンションをどこまで入れたか思い出せないところは適当です。

 まず「旅行やキャンプに行く道でオタク曲を流して爆踊りする」というコンセプトを聞き、紆余曲折あった後、こんな感じかな~という方向性が決まりました。 参考プレイリスト:https://open.spotify.com/playlist/7AXsnfPsVbLdWkr2yDELK7?si=cfd9326c130742f6 

 作る前に「イントロで優勝を確信できる」「Bメロ→サビで空が開ける感じ」「サビでちょっと外す」という三つは決めていたと思います。サビ→Bメロ→Aメロ→イントロ→Dメロ(Cメロ派が多い気がしますが、神前大先輩がDメロと言ってるのでDメロ派)という流れで作ったので、この順番で書いていきます。

 サビについて、かなり記憶があいまいですが、確かメロの原型はシャワーを浴びながら思いつきました。「ソ」側に引っ張られて着地しない感じが高揚感につながっている気がします。「(輝く)から」のところのように「シ→ソ」のように、シに跳躍してから上のドに行かず下がるメロが大好きなのでやりました(今パッと思い出せるもので「Poter Robinson - Everything Goes On」サビの「(I’m just a)story」の「シ→ソ」、「Mr.Children - Starting Over」サビの「きっと」の「シ→ラ」が例としてあります)。「サビでちょっと外す」というコンセプトがあったので二小節目終わりから三小節目で転調しています。IIIb→VIb→IIbと強進行でぐるぐるするやつです。どっか行ってしまう感じの響きに「道草」という歌詞がハマっている気がして、気に入ってます。「(輝く)から」の「シ→ソ」の「ソ」がIIIbの3rdになってるのが多分効いていて、「シ→ソ」メロのあんまりないパターンを作れた気がします。「ソ」のロングトーンをやってる間に転調先から帰ってきてるので、聴きやすさも確保されてるかも。7小節目で「シ→ソ」が「シ→レ→ド」に変わり、焦らされていた「ド」への着地が来て気持ち良さにつながってる気がします。転調せずVm7→I7→IV→I/IIIと行くのも、外しと王道の対比が効いてるかも。歌詞も「変えて」とマイナスからプラスへ転化するところで、響きとマッチしてる気がして、気に入っています。Pllaidさんのパワフルかつ爽やかなボーカルが入って全部よくなってます(感謝)。裏声のところが完全にイメージ通りで嬉しかったです。「輝くから」の抜き、かっこよい。

 Bメロについて、サビがハッピーな感じなのでちょっと影が落ちる感じにしたかった、キメっぽいのが欲しかったというのは考えていた気がします。結果IV→IVmM9/VIIbという進行でキメ的な止めを入れることになりました。IVmM9/VIIbは大体V#aug/VIIbで、確か「カレンダーガール」のBメロで出会った気がします(大名曲)。ちょっと暗い?というか影っぽい感じの響きが「宵の頃に」という歌詞とあってる気がして気に入っています。Vm7→I7と影っぽい雰囲気を脱してハッピーサビへ向かうところで、IIm→IIIm→IV→IIIm→IImと一回こねるのも気に入りポイント。「(計画)をほぐして明日に託し(たら)」のところが一応サビ頭メロの予告になっています。意味あるのか自信ないですが、こういう積み重ねが一聴して分かるということにつながるのかな~と思い、やってます。「Bメロ→サビで空が開ける感じ」というコンセプトがあったので、車のCMやアニメOPの映像などを見ながら作りました。特にヤマノススメとゆるキャン△のオープニング映像のBメロからサビのところは脳内で再生できるくらい見ました(どっちもめちゃ好き)。ちょい暗い雰囲気から盛り上がりにかけて、ボーカルのテンションもコントロールされてるようにきこえてマジすごいです。

 Aメロについて、Bメロとサビが結構いろんなところにアクセントが来るメロだったので、表にアクセントがくるようなメロにしました。カノン進行、最高~~~。マコトシアカ先生にギターを頼み、めちゃいい感じにしてもらいました(感謝)。曲の中では楽器が少なめで、ボーカルのニュアンスが一番出るところ?。うますぎ。

 イントロについて、ブラスが「ペー」って言ってギターがカッティングしててビートが跳ねているとうれしいので、そのようにしました。マコトシアカ先生のカッティングが入って完全によくなりました(感謝)。サビの「(あ)りったけ」というメロのリズムが一応ここで提示されてます。ほぼ聴き取れないですがストリングスのハモリは「ミファソ」でサビの「りったけ」と一緒。これもまた意味あるのか不明。

 Dメロについて、ここまでソに引っ張られる感じでこねていたメロを、さらに上のラまで解禁(Bメロ終わりで出てくるやつはサビ前でちょっとはみ出しちゃった感じ?で、ちゃんとメインででてくるここの「ラ」はちょいきこえ方が違う気がする。裏声で出てくるやつともきこえ方が違う気がする)。VIIΦ→III7→VIm7といってから半音下降、いいよね~~~。曲中一番デカ感情になるところですが、「旅行やキャンプに行く道でオタク曲を流して爆踊りする」というコンセプト的にはあんまりデカくなりすぎるのも違う気がし、Pollaidさんのボーカルはその点ちょうどいいバイブスな気がします(すごい)。

 おちサビについて、ここでイントロのストリングスがサビメロの予告だった!という伏線回収……のつもりですが、普通に伝わらない気がして、ところで気付かれなくても無意識的になきこえの良さにはつながっていると思うのでやっています。「(続きだ)から」が「ラ→ソ」になっているのが「シ→ソ」との対比になってる気がします。

 以上感想でした。この曲はなんとMVを作ってもらえ、これがマジでいいのでまだ見てない人はぜひ見てください。

監督のなずしろさんと

な「ここはどういう気持ちですか?」

コ「ここはこういう気持ちです」

な「映像のイメージとかありますか?」

コ「なんかこう……ぐわ~~~っぱ!って感じです……」

な「こんな感じですか」

コ「いや~~~多分それであっていて、ところであんまりイメージはできていなく、それでお願いします……恐らく良い感じだと思います……」

というようなやりとりを繰り返したらなぜか良いMVができあがり、かなり凄い体験でした。タイトルの字はがきさんに作っていただき、これまたマジでよく、良いな~~~~~(うれしい〜)かわいい過ぎないかわいいポップという感じ?

 マジでいい曲しか入ってないEPに参加できて本当に幸せです。たくさん長く聴かれることを願っています。



Pollaidのコメント


 この曲が真っ先に出来上がり、完全に勝ちを確信しました。歌に関してもかなり時間をかけて練習ができて、録り直しする余裕もありこだわりポイントをたくさん作ることができました。歌う側としてこの曲かなり気持ちよくて、それは歌詞とメロのコンビネーションがかなり計算されていたり、繰り返しで頭に残るメロの作り方をしていたり、そもそも歌詞の完成度が高いなど様々やり込まれているからで、本当にポップスへの理解さすがだな~と思います。Bメロでサビの予告っぽいメロが入るのが個人的なお気に入りです。裏の話ですが歌詞一節一節に対応する気持ちディレクションスプレッドシートまでも作ってもらって、それが歌の表現方法を考える上でかなり役に立ちました。このEPの曲はどれもそうなのですが、聴いていて視覚イメージが自然と想起しやすい気がして、なおかつこれはポップスにおいて僕がとても大事な要素だと思っていることでもあります。そして特にこの曲は、本人のコメントでも言及がある通り制作段階で映像をリファレンスにしていたという経緯があり、映像のインスピレーションを受けた楽曲から改めて新しい映像イメージを再構築する楽しさなんかもあったりして、めちゃおもろです。

 MVについて当初は自分で作るぞと意気込んでいたのですが、経験も知識もなければ編集ソフトもない状態でぼーっとしているあいだに不可能なスケジュールになり、困り果てていたところなずしろさんが制作を買って出てくれました。やりたい映像のアイデアを20%伝えると100%の結果が返ってきておもしろいように出来上がっていく様、おもしろすぎる。細々した要望も逐一対応していただき、大満足のMVができてホクホクしていました。字幕とタイトルロゴのデザインをがきさんに依頼しました。特にロゴデザインは数パターン案を出してかなり凝ってくださったらしく、いたずらにタスクを増やして人の生活時間を圧迫してしまいながら想像以上のクオリティを出していただきました。本当に頼んでよかったなと思うし、頼んでいなかったらどうなってたか想像すると恐ろしいし、お二方には急な依頼に応えてくれたこと心底感謝しています。

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